2006年05月21日

パディントン発4時50分(アガサ・クリスティー 著)

マクギリカディ夫人はクリスマスの買い物を終え、帰途についていた。
彼女はパディントン発4時50分の列車に乗り込み、寝入ってしまった。

30分ほど眠っただろうか、目を覚ました彼女は、並走する列車の窓の中で
男に首を絞められ崩れ落ちる女の姿を見て仰天する。
あわてて車掌にその事実を告げるがまったく取り合ってもらえず、
駅長も、警察までもが彼女のこの話を信用しなかった。

しかし、彼女の友人であるミス・マープルは、友人が嘘を言ったり、
見間違いをするような人間ではないことをよく知っていた。
誰も信じる者がいないこの事件、ミス・マープルの捜査が始まる・・・。

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「そして誰もいなくなった」 「アクロイド殺し」が有名な、
ミステリーの女王、アガサ・クリスティーが贈る、
小さな村の静かなる名探偵ミス・マープルが初登場する記念すべき作品です。
原題は「4:50 From Paddington」で、1957年に出版されました。

列車の中で首を絞められた女を見たという友人の話に興味を持ち、
ミス・マープルは家政婦ルーシーの助けを借り、事件の調査をしていきます。

列車の中から遺体は見つからず、介抱されて病院に向かった女性客もいなく、
首を絞められたはずの女は煙のように消えてしまったのですが、
数あるブレーンを利用して調査し、遺体の行方を推理した結果、
ミス・マープルの読み通り、ルーシーがラザフォード邸で遺体を発見します。

自分で動き証拠固めをして推理していくポアロとは対極の位置にあり、
人の観察や、人の証言などから事件を推理していくミス・マープルなのですが、
この作品中ではあまり活躍しているイメージはなく、スーパー家政婦ルーシーに
スポットライトが当たっています。主役はこっちじゃないかな。

NHKでアニメ化され、八千草薫が声を演じて人気を博しました。


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