2009年06月29日

なぜ君は絶望と闘えたのか(門田 隆将 著)

1999年4月14日、山口県光市。会社から帰ってきた23歳の青年、本村洋は、
自宅の押入れから首を絞められ変わり果てた妻の遺体を見つけた。
姿が見えなくなっていた生後11ヶ月の娘も、その後遺体で見つかった。

山口県光市母子殺害事件の発生。
その後、容疑者として逮捕されたのは18歳の少年Fだった。

少年法に守られ匿名報道される容疑者と、何の許可もなく実名報道される被害者。
社会正義を実現すべく、凄まじい闘志で証拠集めをする警察・検察。
犯罪被害者の声を社会に届けるべく奔走し、確実に世の中を変えていく本村。

9年にもわたる遺族の戦いを綴った渾身のルポがここに。

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刑事裁判とかに多少の興味がある人ならまず知っているだろうと思われる
山口県光市で起きた母子殺害事件。犯人が18歳の少年で、被害者が2人ということで
いわゆる永山基準と言うやつで死刑が回避されてきた事件だ。

この著書は、1999年の事件発生から2008年の広島高裁における死刑判決までの
遺族・本村洋の闘いを記したルポタージュである。

かなり読みごたえのあるものだった。3回も読み返してしまった。
我が家も妻と娘1人という家族構成であるので、とても他人事とは思えない。
もし妻と娘が殺されたとして、本村さんのように「犯人をこの手で殺します」と
言い切れるかどうかは自信がない。

被害にあった直後なら当然そういう気持ちであることは疑いもないが、
報道されることもないであろう加害者の出所状況に
来る日も来る日も目を光らせていなければならないのだ。
自分も食べていかなくてはならないので、仕事をしながら仇討ちの機会を狙うわけだが、
2〜3年で出てくるならともかくとして、20年も30年もいつになるかわからない
出所を待ってから復讐する根性と体力が続くかどうかは甚だ疑問・・・。

だからこそ、司法が仇をとってやるべきなのだと思う。
その上、迅速な裁判をして2〜3年で結論を出していくべきなのではないか。
そもそも、故意に人を殺した者は死刑でいいじゃないかと思うのだが。
どんな理由があるにせよ人を殺すような人間に更正の道が必要なのか?
殺された被害者は生き返ることはできないというのに。

被害者に殺される理由の一端がある場合は別として、犯人に更正の可能性が
あるかないかなんて被害者には何の関係もないじゃないか。
刑というのは自分が犯した罪に対しての応報刑であるべきだと思う。

弁護団が上告したようなので、刑の確定はまだ先になるけど、
本村さんの無念が晴らされるような判決が出ることを祈っている。


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4 死刑の持つ意味を考えさせられる
5 ラスト30ページ
2 感情的には理解できるが理性的には共感できない
2 やたら絶賛されているから読んでみましたが
5 冷静な行動が(を)もたらした物



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