2009年08月30日

聖女の救済(東野 圭吾 著)

妻の留守中に、毒物入りのコーヒーで何者かに殺害された夫。
離婚を切り出されていた妻の犯行と思われたが、彼女には鉄壁のアリバイがあった。

コーヒー豆、ペーパーフィルター、ケトル、ペットボトルの水などに毒物を混入し
自分がアリバイのある時間帯に夫に都合よく飲ませることは不可能と思われた。

警視庁の内海刑事は、ガリレオこと帝都大学の湯川准教授にこのトリックを相談する。
湯川は「このトリックは理論的には考えられるが、現実的にはありえない
虚数解だ」と言うのだが・・・。

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「手紙」「さまよう刃」「秘密」などの作品で知られ、「容疑者Xの献身」
第134回(2005年下半期)の直木賞を受賞した東野圭吾の作品。

1つのトリックでミステリーって書けるものなんだなあ、と感心してしまった。
「容疑者Xの献身」ほどの衝撃は受けなかったが、それでも思わず膝を
打ってしまうようなトリックだった。

いつもながら、読者をだます伏線の張り方も上手だ。最後まで読んでみて
「なるほどねえ、完全に時期を勘違いしていたな」という感じだもの。

終盤で、本のタイトルである「救済」の意味が明かされる。
主婦として完璧だった聖女が、虚数解とまで言われたトリックを実行するために
見せた驚くべき執念には背筋が寒くなってしまった。怖い・・・。

東野圭吾作品について、自分の中でのランキングは、
「さまよう刃」「容疑者Xの献身」「変身」「秘密」「白夜行」
> 「聖女の救済」> 「手紙」「分身」「ダイイング・アイ」「宿命」
「夜明けの街で」の順かな。


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聖女の救済
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3 久々の長編佳作
4 TVドラマ版に引きずり込まれちゃったなぁ
5 東野圭吾の最高傑作
4 犯人の存在感
5 タイトルの意味がわかったときゾッとしました

mano_oil at 11:13│Comments(0)TrackBack(0)東野 圭吾 

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