アガサ・クリスティー

2006年07月02日

ハロウィーン・パーティ(アガサ・クリスティー 著)

ポアロの友人、探偵作家のオリヴァ夫人は友人ジュディスとともに、
ウドリー・コモン村で開かれたハロウィーン・パーティーに出席した。
10歳から17歳までのティーンエイジャーのグループが招待されていた。

そのパーティーに出席していたジョイスという13歳の少女が、
みんなの前でオリヴァ夫人にこう告げる。
「あたし、前に人殺しを見たことがあるのよ」と。

探偵作家オリヴァ夫人の気を引くために、またまた札付きのホラ吹き、
ジョイスの悪い癖が始まったと誰もが思ったが、次の日の晩、
リンゴ食い競争のバケツに首を突っ込んで死んでいるジョイスが発見された!

最近増えている変質者がパーティーに入り込んでの犯行なのか?
それとも、ジョイスの言っていることは本当で、口をふさがれたのか?
オリヴァ夫人に依頼を受けた灰色の脳細胞を持つ名探偵、ポアロの推理は?
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2006年06月27日

ヒッコリー・ロードの殺人(アガサ・クリスティー 著)

エルキュール・ポアロの有能な秘書、ミス・レモンは、
今まで一度たりともタイプミスをしたことがなかったが、今朝は違っていた。
きわめて簡単な手紙のタイプに3ヶ所も誤字があったのだ。
その原因は、彼女が姉から相談された奇妙な事件のせいだった。

彼女の姉、ハバード夫人はロンドンのヒッコリー・ロードにある学生寮で
寮母の仕事についていたが、この学生寮では最近、盗難事件が頻発していた。
しかし、盗まれたものはささいな物ばかりで、警察に届けるのもためらわれた。

この話に興味を持ったポアロはハバード夫人の元を訪れ、
学生寮に住む学生たち向けに講演をさせてもらうことにする。
講演の後、学生たちの話を聞いたポアロは、この事件について
いますぐ警察を呼ぶべきだと主張する。

まもなくその学生寮で、学生の1人が毒殺されるという事件が起こった。
2つの事件に関連はあるのか?あるとすれば、盗難事件の意味は?
愛憎渦巻く学生寮で、ポアロの推理が冴えわたる!
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2006年05月27日

メソポタミヤの殺人(アガサ・クリスティー 著)

看護婦エィミー・レザランは考古学者のレイドナー博士の依頼で、
イラクのテル・ヤリミアの遺跡発掘隊での仕事を得た。
依頼内容は、博士の妻ルイズの世話をしてほしいというもので、
彼女は一種の神経衰弱みたいになっているというのだ。

エィミーは、いざルイズ・レイドナーに会ってみて少々驚いた。
神経衰弱どころか、彼女はとても好感の持てる美しい女性だった。
ただ、神経が参っていると思われているのには、理由があった。
死んだはずのかつての夫から何度も脅迫状が舞い込んで来ていたのだ。
「おまえの死は目前に迫っているのだ。」と。

そして、とうとうある日、ルイズ・レイドナーは遺体で発見される。
遺跡発掘隊の宿舎の中には、外部から侵入した形跡は無く、
内部にいた発掘隊の一員による犯行である可能性が高かった。

たまたまシリアに来ていたエルキュール・ポアロはレイドナー博士に頼まれ、
この不可解な事件について調査を開始したが・・・。
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2006年05月21日

パディントン発4時50分(アガサ・クリスティー 著)

マクギリカディ夫人はクリスマスの買い物を終え、帰途についていた。
彼女はパディントン発4時50分の列車に乗り込み、寝入ってしまった。

30分ほど眠っただろうか、目を覚ました彼女は、並走する列車の窓の中で
男に首を絞められ崩れ落ちる女の姿を見て仰天する。
あわてて車掌にその事実を告げるがまったく取り合ってもらえず、
駅長も、警察までもが彼女のこの話を信用しなかった。

しかし、彼女の友人であるミス・マープルは、友人が嘘を言ったり、
見間違いをするような人間ではないことをよく知っていた。
誰も信じる者がいないこの事件、ミス・マープルの捜査が始まる・・・。
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2006年05月20日

スタイルズ荘の怪事件(アガサ・クリスティー 著)

傷病兵として前線から送還されたヘイスティングズは、
旧友ジョン・カヴェンディッシュからの招待で、
彼の住むスタイルズ荘で療養休暇を過ごすことになった。

ジョンの母親、イングルソープ夫人は20歳も年下の男と再婚したばかりだったが、
ヘイスティングズとの再会をとても喜び、もてなしてくれた。
ところが、それからほどなくしてイングルソープ夫人は、
猛毒のストリキニーネを飲み、亡くなってしまった。

自殺、事故、殺人? そう、殺人である公算が高かった。
ヘイスティングズはこの事件を旧友エルキュール・ポアロに任せるよう、
ジョンに忠告する。

旧友ヘイスティングズとジョンの頼みで、事件を調査するポアロ。
財産目当ての夫、金に困っていた息子、毒が容易に手に入る薬剤師など、
容疑者が多い中、灰色の脳細胞が出した答えとは・・・?
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2006年05月15日

愛国殺人(アガサ・クリスティー 著)

いくら名探偵といえども、歯医者の治療台ではただの臆病者でしかなかった。
エルキュール・ポアロはビクビクしながら、モーリイ歯科医の治療を受けていた。
憂鬱な治療が終わり自宅でランチを楽しんでいたポアロに、電話がかかってくる。
スコットランド・ヤードのジャップ主任警部からだった。

「ポアロさん、今朝歯医者に行ったそうですが。」
「そのとおり。なぜです?」
「あのあとすぐ、彼は自殺しましたよ。」

ポアロが治療を受けている間、彼にはそんな素振りはまったくなかった。
彼の妹や秘書に聞いても、彼が自殺するような理由はまったくなかった。
これは、巧妙に仕組まれた殺人だったのか?
マザー・グースの調べに乗って起こる連続殺人事件に、
灰色の脳細胞を持つ男、エルキュール・ポアロが挑む!
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2006年05月14日

ひらいたトランプ(アガサ・クリスティー 著)

パーク街の豪華なアパートに住むシャイタナ氏は、彼を知るほとんどすべての人から
気味悪がられていたが、大金持ちで素晴らしいパーティーを開くことで有名だった。

ある日、嗅煙草入れ展示会でエルキュール・ポアロと会ったシャイタナ氏は、
ポアロに声をかけ、とても危険な誘いをかける。
「近いうちに僕のアパートに来ませんか?面白い蒐集品をお見せしますよ。
ほんの少しも嫌疑をかけられないで、安心して生活している殺人犯人たちの
コレクションをお見せしましょう!」

そして、パーティーは開かれた。ポアロのほかに招待されたのは、
探偵作家のオリヴァ夫人、警視庁のバトル警視、諜報局員のレイス大佐、
若い女性アン、ロバーツ医師、探検家のデスパード少佐、ロリマー老婦人だった。
パーティーでは素晴らしい食事が振舞われたが、食後のブリッジの最中に、
シャイタナ氏が暖炉の前で殺されているのが発見される。
招待客の中の誰かが、過去の殺人の発覚を防ぐため、
彼を消したと考えるのが妥当だった。

探偵役が4人と、殺人犯人が4人。
シャイタナ氏に窮地に追い込まれ、牙をむいたのは誰なのか・・・。
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2006年04月02日

マギンティ夫人は死んだ(アガサ・クリスティー 著)

暇をもてあましていたエルキュール・ポアロの元に、
旧友であるキルチェスター警察のスペンス警視が訪ねてきた。

マギンティ夫人が自宅で撲殺された事件の捜査担当者として、
スペンス警視は、夫人宅に間借りしていたジェイムズ・ベントリイを逮捕した。
ベントリイは服の袖に夫人の血が付いていたという決定的な証拠のため、
裁判ではすでに死刑が確定し、その執行を待つばかりだった。

しかし、スペンス警視はポアロに胸の内を伝えた。
「ムッシュウ・ポアロ。すべての証拠はベントリイが犯人だと示しています。
しかし、私にはどうしても彼が犯人とは思えないのです。
無実の人間が死刑になるのを黙って見ているわけにはいきません。
私には手に負えそうもありませんが、お力を貸してくださいませんか?」

2つ返事で引き受けたポアロは、現場のブローディニイに急行する。
たいした財産もなく、人に恨まれるようなこともなさそうな、
ただの家政婦であったマギンティ夫人はなぜ殺されなければならなかったのか。
また、ベントリイの死刑執行の時は刻々と迫ってきている。
静かな村で、灰色の脳細胞を持つ男の捜査が始まった。
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2006年03月30日

殺人は容易だ(アガサ・クリスティー 著)

東洋の植民地駐在警察官だったルーク・フィッツウィリアムは、
引退し恩給も付いて、本国イギリスに帰ってきた。
ロンドンに向かう列車の中で、彼は親切そうな老婦人と同席したのだが、
格好の話し相手として捕まってしまった。

「私の住んでいる村で、殺人が行われているんですの。」
「殺人? それは、確かなんですか?」
「ええ、妄想ではないのです。1度ならともかく、何度ともなるとね。」
「すると、何度も起こったわけですね。殺人事件が・・・。」
「ええ。ですから、これからロンドン警視庁へ行って知らせるのです。」
「それは、ま、それがいいでしょうな。」
「次はドクター・ハンブルビーが危ないのです。止めなければ・・・。」
「しかし、何度も人殺しをしながら発覚しないのは難しいですよ。」
「いいえ、殺人はとても容易なのですよ。誰にも疑われなければね。」

老婦人の言うことを軽く聞き流して別れたルークだったが、
翌日の新聞は、彼女がひき逃げによって亡くなったことを伝えた。
そして1週間後、ドクター・ハンブルビーの死亡記事を見て、ルークは仰天する。

彼女の話は事実だったのか、それとも、ただの偶然の一致なのか。
警察に届ける段階ではないと考え、現地に向かって調査を開始した
ルークを待っていたのは、新たなる犠牲者の群れだった・・・。
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2006年03月23日

無実はさいなむ(アガサ・クリスティー 著)

「行きたくない。しかし、行ってどうしてもお詫びしなければ・・・。」
地理学者、アーサー・キャルガリの足取りは重かった。
しばらくして、サニー・ポイントに着いたキャルガリは、
アージル家にて、衝撃の告白をする。

「一昨年、ミセス・アージルが殺害された事件につき、
ご子息のジャックさんが逮捕され、獄中にて病死されましたが、
犯行時刻に彼は私と一緒でした。よんどころのない事情があり、
アリバイの証明が不可能だったことは、誠にお詫びのしようもありませんが、
ジャックさんは無実なのです!。」

しかし、キャルガリの予想に反し、アージル家の面々は
故人の名誉が回復されても喜ぶ様子はなかった。
そう、あの時、犯行が可能な人物はアージル家の中にいたのだ。
ジャックが犯人ではないとすると、いったい誰が・・・。
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