2006年03月23日

無実はさいなむ(アガサ・クリスティー 著)

「行きたくない。しかし、行ってどうしてもお詫びしなければ・・・。」
地理学者、アーサー・キャルガリの足取りは重かった。
しばらくして、サニー・ポイントに着いたキャルガリは、
アージル家にて、衝撃の告白をする。

「一昨年、ミセス・アージルが殺害された事件につき、
ご子息のジャックさんが逮捕され、獄中にて病死されましたが、
犯行時刻に彼は私と一緒でした。よんどころのない事情があり、
アリバイの証明が不可能だったことは、誠にお詫びのしようもありませんが、
ジャックさんは無実なのです!。」

しかし、キャルガリの予想に反し、アージル家の面々は
故人の名誉が回復されても喜ぶ様子はなかった。
そう、あの時、犯行が可能な人物はアージル家の中にいたのだ。
ジャックが犯人ではないとすると、いったい誰が・・・。

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「そして誰もいなくなった」 「オリエント急行の殺人」があまりにも有名な、
ミステリーの女王、アガサ・クリスティーの作品です。
映画化もされ、「ドーバー海峡殺人事件」という邦題で公開されました。
原題は「Ordeal by Innocence」で、1958年に出版されました。

アガサ・クリスティー小説の探偵は「エルキュール・ポアロ」と、
「ミス・マープル」が有名ですが、この作品では1人の地理学者が、
突然の事故のために1人の青年のアリバイを証明できなかったことと、
真実を話したためにアージル家に起こった疑心暗鬼に自分の責任を感じ、
真犯人を見つけるべく奮闘します。

問題児であったジャックが犯人ということで事件は片付いていたのに、
一家の中に犯人がいることになり、お互いを疑いだすアージル家の人々。
誰かが犯人なのかわからないまま、1つ屋根の下で暮らし、
信頼も愛情も壊れ、家族の関係が蝕まれていく・・・。
人間関係の描写が素晴らしい!さすがベストセラー作家!

この作品は、数多くの傑作を生み出したアガサ・クリスティー本人が、
自分のミステリーの中で最も満足した2作品のうちの1つだとか・・・。
うーん、面白いけどそこまでの傑作とは思わないのですが。
僕が選ぶなら、 「そして誰もいなくなった」 「ねじれた家」ですね。


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