2005年11月21日

R.P.G.(宮部 みゆき 著)

建築中の建売住宅の中で、中年男性、所田良介が刺殺された。
彼はネット上に擬似家族を持っており、「お父さん」と呼ばれていた。

一方、その3日前には良介と不倫関係にあった女子大生が絞殺されていた。
女子大生といさかいのあった同級生が容疑者として浮上するが、
2つの事件に共通の遺留品があったことから、捜査は行き詰まってしまう。

良介の一人娘、一美が父と一緒にいる怪しい人物を見ていたことから、
警察は良介のネット上の擬似家族を呼び出し、一美に面通しさせるのだが・・・。

模倣犯」の武上刑事と、「クロスファイア」の石津刑事が再会し、
2つの殺人事件の謎に迫る。

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模倣犯」、「理由」 が有名な宮部みゆきが贈る、文庫書き下ろしミステリー。

全編の大半が警察の取調室という密室で進み、まるで舞台を見ているようです。
ヘンリー・フォンダ主演の名作、「十二人の怒れる男」を思い出しました。

物語の結末には、大どんでん返しが用意されています。
この手の騙しについて「フェアか、アンフェアか?」というのは、
本書の解説にも登場するアガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」でも
問題になりましたが、面白ければルールもへったくれもないと思いますね。
作者と読者ってのはスポーツで対戦するのとは違うわけですから。
物語にぐいぐい引き込まれて、楽しく読めました。

ただ、「模倣犯」、「理由」と同じ作者とは思えない。
いわゆる宮部ミステリーを期待して読むと、全く異質でした。
別物として考えた方がいいかもしれません。

モー娘。の後藤真希主演でドラマ化もされましたね。
残念ながら観ませんでしたが。再放送してくれないかなあ。


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mano_oil at 23:04│Comments(0)TrackBack(1)宮部 みゆき 

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1. 最新読書日記21  [ みだれ撃ち涜書ノート ]   2005年11月29日 11:04
宮部 みゆき R.P.G. 作者自らあとがきでも語っているように「単行本にするには少々枚数が短く、中短編集に入れるには独立性が強すぎて収まりが悪い」アイディアなので、「初の文庫本書き下ろし」となった作品。 しかし十二分に堪能させてもらった。 やはりこの

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