2006年03月12日
99%の誘拐(岡嶋 二人 著)
昭和50年11月。大手カメラメーカー・リカードの生駒洋一郎は、
東京の関東逓信病院に入院した。末期ガンだった。
病名は本人には知らされていなかったが、彼は自分の死を予期し、
息子の慎吾に宛てて手記を残していた。
7年前、当時5歳の慎吾が誘拐された事件について。
慎吾は無事帰ってきたものの、身代金5千万円は奪われ、
生駒の会社であるイコマ電子工業はリカードに吸収されてしまった。
生駒にとって犯人は、息子を誘拐し、自分の会社を失う原因を作った
恨み骨髄に徹する相手だった。
それから12年後。この事件に端を発する新たな誘拐事件が発生し、
前代未聞の完全犯罪が幕を開ける・・・。
東京の関東逓信病院に入院した。末期ガンだった。
病名は本人には知らされていなかったが、彼は自分の死を予期し、
息子の慎吾に宛てて手記を残していた。
7年前、当時5歳の慎吾が誘拐された事件について。
慎吾は無事帰ってきたものの、身代金5千万円は奪われ、
生駒の会社であるイコマ電子工業はリカードに吸収されてしまった。
生駒にとって犯人は、息子を誘拐し、自分の会社を失う原因を作った
恨み骨髄に徹する相手だった。
それから12年後。この事件に端を発する新たな誘拐事件が発生し、
前代未聞の完全犯罪が幕を開ける・・・。
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第10回(昭和63年)の吉川英治文学新人賞受賞作であり、
2005年の「この文庫がすごい!」ミステリー&
エンターテインメント部門で、第1位だった作品。
犯人はコンピュータ技術を駆使して誘拐を企てます。
発表から20年近く経ったこともあり、現在では陳腐化した技術ですが、
当時は最先端を行く技術だったことでしょう。
想定外の出来事もほとんど起こらず、うまく行き過ぎの感はありますが、
展開がスピーディーで、読み始めたら止まりませんでした。
最終的に犯人は人質を傷つけず、身代金も手に入れ、
完全犯罪を遂行する優れた能力を持ち合わせていたにもかかわらず、
まったくの偶然によって、最大の目的を達することができませんでした。
ノンフィクションというならともかく、小説だというのになぜこのような
ストーリーにしたのかがいまいちピンときませんでしたが、
もしかすると岡嶋二人は、「どのような理由があろうとも、
罪を犯す者は不幸せである」と暗に言いたかったのかもしれません。
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岡嶋二人を再評価させる疾走感
お終いが残念
ちょっと期待はずれでした
第10回(昭和63年)の吉川英治文学新人賞受賞作であり、
2005年の「この文庫がすごい!」ミステリー&
エンターテインメント部門で、第1位だった作品。
犯人はコンピュータ技術を駆使して誘拐を企てます。
発表から20年近く経ったこともあり、現在では陳腐化した技術ですが、
当時は最先端を行く技術だったことでしょう。
想定外の出来事もほとんど起こらず、うまく行き過ぎの感はありますが、
展開がスピーディーで、読み始めたら止まりませんでした。
最終的に犯人は人質を傷つけず、身代金も手に入れ、
完全犯罪を遂行する優れた能力を持ち合わせていたにもかかわらず、
まったくの偶然によって、最大の目的を達することができませんでした。
ノンフィクションというならともかく、小説だというのになぜこのような
ストーリーにしたのかがいまいちピンときませんでしたが、
もしかすると岡嶋二人は、「どのような理由があろうとも、
罪を犯す者は不幸せである」と暗に言いたかったのかもしれません。
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