2006年08月29日

宿命(東野 圭吾 著)

警察官の和倉勇作は、小中高と抜群の成績を収めて人望もあったが、
決して勝つことのできなかった天才的なライバルがいた。
彼の名は瓜生晃彦。日本屈指の電気機器メーカー、UR電産の社長の息子。

勇作は高校時代、不運によって初恋の女性と心ならずも別れることに
なってしまったが、10年経ってその女性・美佐子と再会する。
ところが、美佐子は奇しくもあの晃彦の妻となっていた。

10年の時を経て再会した宿命のライバルは、刑事と容疑者として対峙する。
宿敵同士の2人に用意された、皮肉で感動的な結末とは・・・。

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「手紙」「さまよう刃」「秘密」などの作品で知られ、「容疑者Xの献身」
第134回(2005年下半期)の直木賞を受賞した東野圭吾の作品です。

クラスのリーダー的存在だった勇作は成績優秀、人望も厚くクラスの人気者でしたが、
晃彦にはどんな分野でもどうしてもかないません。
いつか彼に勝とうと努力を積み重ねますが、小中高とどうしても勝てませんでした。

10年後、勇作は別れざるを得なかった初恋の人の美佐子と再会しますが、
彼女は晃彦の妻となっていて、ここでも敗北感を味わうハメになります。
しかし、今の晃彦は殺人の容疑者。美佐子の証言を得ながら、晃彦のことを
調べる勇作は、事件の真相に徐々に迫っていきます。

続編というわけではないのですが、テーマ的には次作の「変身」へとつながっていく
作品になっています。自分としての好き嫌いの評価は「変身」の方が断然上ですが、
結末が予想できないのはこちらの方です。


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mano_oil at 17:10│Comments(0)TrackBack(0)東野 圭吾 

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