2007年07月16日
小説 上杉鷹山(童門 冬二 著)
九州の小藩の次男として産まれたものの、17歳にして上杉謙信を祖とする
名門中の名門、米沢藩上杉家の養子になり藩主となった上杉治憲(後の鷹山)は、
倹約令と殖産興業政策を徹底し、破産寸前だった米沢藩を立て直す。
かのケネディ大統領やクリントン大統領が「最も尊敬する日本人の政治家」として
挙げた、240年も前に活躍した希代の政治家について教えてくれる書。
名門中の名門、米沢藩上杉家の養子になり藩主となった上杉治憲(後の鷹山)は、
倹約令と殖産興業政策を徹底し、破産寸前だった米沢藩を立て直す。
かのケネディ大統領やクリントン大統領が「最も尊敬する日本人の政治家」として
挙げた、240年も前に活躍した希代の政治家について教えてくれる書。
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九州の小藩・日向国高鍋藩主の次男として産まれた上杉治憲は、
数え年10歳の時に米沢藩第8代藩主上杉重定の養子となった。
かつて戦国の雄として名を馳せた越後の虎、上杉謙信を祖とする上杉家は、
景勝の時代には秀吉の五大老として120万石を擁する大大名であったが、
関ヶ原の戦いの際に西軍に組したことが災いし、徳川家康により
会津120万石から米沢30万石に減封され、その後さらに半分の15万石と
されてしまった。
収入が激減したのに、謙信公以来の威信を重視し藩士を減らさなかった米沢藩は
たちまち窮地に陥り、藩に金を貸してくれる商人は1人もいないありさまで、
藩を幕府に返上することまで検討される始末だった。
そこに乗り込んだ治憲は今まで冷飯を食らっていた者たちを徴用し、
下級武士を味方につけることで藩政の改革を進めていった。
虚礼の廃止による経費削減、地場産業の育成による収入源の確保、
新田の開発などを行い、瀕死だった米沢藩の財政を甦らせていく。
藩政では「三助」の三位一体政策を採用し、
1)自ら助ける。すなわち「自助」
2)互いに近隣社会が助け合う。「互助」
3)藩政府が手を伸ばす。「扶助」
を是とした。この政策により、皆が老人を敬うようになり、当の老人も
仕事をすることで生きがいが得られるようになったし、障害を持つ人にとっても
暮らしやすい世の中になった。姥捨てや乳児の間引きといった困窮ゆえの
悪しき習慣もなくなっていき、皆が安心して暮らせる世の中になった。
240年以上も前にこのような行政改革を行うトップがいたことは驚きだ。
特に、藩は民のものであるという民主主義的な考え方を持っていたことは
本当に先見の明があると言えよう。リーダーとして部下を持つ人には
ぜひ読んでもらいたい名著だと思う。
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凹んだ時に読むと元気がでる
マネジメントをしている方にはおすすめです。
九州の小藩・日向国高鍋藩主の次男として産まれた上杉治憲は、
数え年10歳の時に米沢藩第8代藩主上杉重定の養子となった。
かつて戦国の雄として名を馳せた越後の虎、上杉謙信を祖とする上杉家は、
景勝の時代には秀吉の五大老として120万石を擁する大大名であったが、
関ヶ原の戦いの際に西軍に組したことが災いし、徳川家康により
会津120万石から米沢30万石に減封され、その後さらに半分の15万石と
されてしまった。
収入が激減したのに、謙信公以来の威信を重視し藩士を減らさなかった米沢藩は
たちまち窮地に陥り、藩に金を貸してくれる商人は1人もいないありさまで、
藩を幕府に返上することまで検討される始末だった。
そこに乗り込んだ治憲は今まで冷飯を食らっていた者たちを徴用し、
下級武士を味方につけることで藩政の改革を進めていった。
虚礼の廃止による経費削減、地場産業の育成による収入源の確保、
新田の開発などを行い、瀕死だった米沢藩の財政を甦らせていく。
藩政では「三助」の三位一体政策を採用し、
1)自ら助ける。すなわち「自助」
2)互いに近隣社会が助け合う。「互助」
3)藩政府が手を伸ばす。「扶助」
を是とした。この政策により、皆が老人を敬うようになり、当の老人も
仕事をすることで生きがいが得られるようになったし、障害を持つ人にとっても
暮らしやすい世の中になった。姥捨てや乳児の間引きといった困窮ゆえの
悪しき習慣もなくなっていき、皆が安心して暮らせる世の中になった。
240年以上も前にこのような行政改革を行うトップがいたことは驚きだ。
特に、藩は民のものであるという民主主義的な考え方を持っていたことは
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全一冊 小説 上杉鷹山
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童門 冬二
集英社 (1996/12)
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おすすめ度の平均:
あまりに平易な文章。時代小説だと思わない方がいい。凹んだ時に読むと元気がでる
マネジメントをしている方にはおすすめです。