2009年01月25日

隷属国家 日本の岐路(北野 幸伯 著)

アメリカが大変なことになっている。
サブプライムの問題もさることながら、ドル体制が崩壊しつつあるのだ。

アメリカが没落したとき、世界経済が大混乱に陥ることは言うまでもないが、
国防の大部分をアメリカに依存している日本はいったいどうなってしまうのか。
次世代の覇権国家候補No.1である中国の属領となってしまうのであろうか・・・。
自立国家として存続していくための政策はどうしたらいいのだろうか・・・。

メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」の筆者がモスクワから語る、
今後の日本が進むべき道とは・・・。

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以前、著者の「ボロボロになった覇権国家」を読んだとき、
「一言で言って、最高にわかりやすい世界政治の教科書」だとコメントしたが、
今回の新作を呼んでその感想が正しいことがわかった。

著者の言うことは極めてシンプル。
国力を測るのは品格などではなく、経済力と軍事力だと。
そして、現在の覇権国家はアメリカだが、次世代の覇権国家候補No.1は中国で、
日本はこのままでは中国の属領になってしまうのではないか、と。

一部、短編小説みたいに極端なたとえ話が掲載されているのだが、
そのたとえ話は突拍子もない絵空事ではなく、現実になってもおかしくはない。
そして、日本が自立国家になるために必要な政策について、
著者なりの提言が章立てされて盛り込まれており、とても説得力がある。

著者の提言は
・経済政策について
・少子化問題について
・外交と安全問題について
・食糧とエネルギー問題について
・教育について
・今後の日本が進むべき道について
の6つの章にわたるのだが、特に食糧についての提言が興味深い。
現在の日本の食糧自給率は40%で先進国中最低の水準なのだが、
これをアップするために学校での完全米飯給食を実現せよというのだ。

このことだけ見ればかなり極論を言っているように見受けられるのだが、
事実、文部科学省は米飯給食を増やす方向、具体的には週4日に引き上げる方向で
話し合いを進めているらしい。「給食 週4日 文部科学省会議」でググれば
すぐに記事が見つかる。著者に先見の明があったということか。

「日本は世界で最も好かれている国の一つで、世界で日本を嫌っている国など、
中国、韓国、北朝鮮くらいしかないのだ」というくだりもうれしい箇所だ。
日本の教育はとかく自虐的な史観が植えつけられているからね。
こういう本は大人よりも中高生に読んでもらうべきなんだろうな。


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隷属国家 日本の岐路―今度は中国の天領になるのか?
北野 幸伯
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5 日本を憂える
5 広い視野で見た世界と日本
5 日本が進むべき道
5 日本の進むべき方向性が示される
5 日本の将来を考えて…

mano_oil at 01:56│Comments(0)TrackBack(0)ビジネス書 

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