東野 圭吾

2009年08月30日

聖女の救済(東野 圭吾 著)

妻の留守中に、毒物入りのコーヒーで何者かに殺害された夫。
離婚を切り出されていた妻の犯行と思われたが、彼女には鉄壁のアリバイがあった。

コーヒー豆、ペーパーフィルター、ケトル、ペットボトルの水などに毒物を混入し
自分がアリバイのある時間帯に夫に都合よく飲ませることは不可能と思われた。

警視庁の内海刑事は、ガリレオこと帝都大学の湯川准教授にこのトリックを相談する。
湯川は「このトリックは理論的には考えられるが、現実的にはありえない
虚数解だ」と言うのだが・・・。
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2008年06月23日

ダイイング・アイ(東野 圭吾 著)

雨村慎介は勤め先のバーから帰宅する途中、何者かに襲われた。
襲った人間の身元はすぐ割れ、1年半前に慎介が起こした人身事故で亡くなった
女性の夫が犯人だった。ところが、慎介には事故を起こした記憶が全くなかった。
頭を殴られた拍子に、事故に関する記憶を失ってしまったらしかった。

怪我も回復し、バー勤めの日常が戻った慎介は自分の失った記憶を取り戻そうと
他人から少しずつ聞いたヒントをつなぎ合わせる。なぜ自分はあの日に限って
急いでいたのだろう。自転車をひっかけてしまったのはなぜなのだろうと。

そして、少しずつ核心に迫っていく慎介に忍び寄る魔性の女の正体とは・・・。
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2008年02月26日

夜明けの街で(東野 圭吾 著)

「不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。しかし・・・」

渡部の働く会社に、派遣社員の秋葉がやって来た。
ある夜、偶然に会って飲みに行った帰りに送っていったことがきっかけで、
2人の仲は急速に近づき、ついに越えてはならない境界線を越えてしまう。

しかし、秋葉の家庭環境は複雑だった。両親は離婚した上に母親は自殺。
横浜の実家では、15年前に父の愛人が殺されるという事件まで起こっていた。

来年の3月31日が来るのを何年も待ち、そのときが来ればいろいろ話せると言う秋葉。
犯人かもしれない女性との不倫の恋と家族とを天秤にかけて悩む渡部。
事件が時効になった時、彼女は何を告白しようとしているのか。
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2007年08月07日

分身(東野 圭吾 著)

「もしかしたら私は母に嫌われているんじゃないか・・・。」
氏家鞠子がそんな思いを抱くようになったのは、小学校の高学年になった頃だった。
優しいはずの母親だったが、娘を見る目は何かが違っていた。
中学3年生の時その母は自宅に火をつけ、夫と娘を道連れに心中を図る。
鞠子と父は幸いにして助かったが、母だけが助からなかった。

「どうしてだめなわけえ?」
小林双葉は握っていた箸をテーブルに叩きつけて、母親に抗議した。
バンドのヴォーカルとしてテレビに出ることを反対されていたのだ。
そして、母の反対を押し切ってテレビに出てから6日目、双葉の母は
轢き逃げに遭って帰らぬ人となった。

自分の母がなぜ命を失ったかを調べようとする鞠子と双葉。
ところが、遠く離れた函館と東京に住み面識もまったくない2人は
誰がどう見ても同一人物にしか見えないほどよく似ていた。
2人を結ぶものとはいったい何なのか・・・。
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2007年05月10日

白夜行(東野 圭吾 著)

1973年、大阪の廃墟ビルで、質屋を営む桐原洋介が殺害された。
直前に銀行で引き出したばかりの100万円が見つかっていなかった。

妻の弥生子と店員の松浦が疑われたが、彼らにはアリバイがあった。
桐原が生前最後に会ったと思われる西本文代とその恋人の寺崎が次に疑われたが、
寺崎は交通事故で、文代は事故とも自殺とも取れるガス中毒でこの世を去り、
それ以降事件は進展もなく、迷宮入りをしてしまった。

桐原の1人息子・亮司と、文代の1人娘・雪穂は奇しくも同級生だったが、
その事件の後はまったく別々の道を歩んでいくことになった。
暗い眼をした静かな少年・亮司と、人並み外れて美しく真面目な少女・雪穂の
周囲には犯罪の匂いが絶えなかったが、疑う人間はいても証拠がなかった。

そして19年の歳月が流れ・・・。
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2007年03月19日

容疑者Xの献身(東野 圭吾 著)

かつて帝都大学大学院で学び、数学者への道を目指していた石神哲哉。
数学者として身を立てる夢をあきらめ、高校教師となった彼の楽しみは、
近所の「べんてん亭」で弁当を買ってから出勤することだった。
アパートの隣の部屋に住む花岡靖子がそこで働いていたのだ。
靖子には中学生になる娘・美里がいたが、石神は彼女のことが好きだった。

ある日、「べんてん亭」で店番をしている靖子のところに男が訪ねてきた。
男の名は富樫慎二。暴力が原因で5年前に別れた靖子の元亭主だった。
かつての妻から金をむしり取るべく、居所を突き止めて訪ねてきたのだ。
そしてその夜靖子は、アパートに上がりこんで復縁を迫った上に美里に対して
暴力を振るった富樫を絞殺してしまった。

事態を知った石神はこの母娘を危機から救うため、偽装に手を貸す。
案の定、刑事が靖子のところに訪ねてくるが、彼女たちにはアリバイがあった。
母娘を警察の追及から守るため、石上が仕掛けた盲点をつくトリックとは?
そして、帝都大学で石神とともに学び、お互いを好敵手として認めていた
天才物理学者・湯川がたどり着いた驚愕の真相とは・・・?
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2006年08月29日

宿命(東野 圭吾 著)

警察官の和倉勇作は、小中高と抜群の成績を収めて人望もあったが、
決して勝つことのできなかった天才的なライバルがいた。
彼の名は瓜生晃彦。日本屈指の電気機器メーカー、UR電産の社長の息子。

勇作は高校時代、不運によって初恋の女性と心ならずも別れることに
なってしまったが、10年経ってその女性・美佐子と再会する。
ところが、美佐子は奇しくもあの晃彦の妻となっていた。

10年の時を経て再会した宿命のライバルは、刑事と容疑者として対峙する。
宿敵同士の2人に用意された、皮肉で感動的な結末とは・・・。
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2006年08月28日

変身(東野 圭吾 著)

産業機器メーカーの工場に勤める平凡な青年、成瀬純一は、
恋人の葉村恵と平凡な結婚をし、平凡な一生を送るはずだった。
しかし、ある日巻き込まれた不慮の事故の結果、
彼は一夜にして世界中の誰もが注目する人間となってしまった。
「世界初の成人脳移植手術を受けた患者」として。

手術は成功し、退院した純一は元の生活に戻った。
工場での平凡な仕事、恵との楽しい生活が戻ってくるはずだった。
しかし、何かが違った。画家を夢見ていた優しい青年だったはずの自分は、
粗野で凶暴な人間にじわじわと変わりつつあった。

原因は・・・脳移植手術以外には考えられない!
だんだんと他人に変わりつつある自分と闘いながら探し続け、
ようやく見つけた脳片のドナーの正体とは・・・。
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2006年07月30日

秘密(東野 圭吾 著)

予感めいたものなど、何ひとつなかった。
自動車部品メーカーで働く平介は、夜勤明けの自宅で朝食を食べていた。

いつもの日課で、テレビのワイドショーをぼんやり見ていた平介は、
長野でのバス転落事故のニュースを聞き、茫然とする。
そのバスには、妻の直子と一人娘の藻奈美が乗っていたのだ。

急ぎ病院に駆けつける平介。藻奈美は奇跡的に一命を取り留めたものの、
直子は命を落としてしまう。ところが、助かったと思われた藻奈美の体には
直子の魂が宿っていた。

誰から見ても父娘だが、家では夫婦としての生活を続ける平介と直子。
しかし、対外的には父と娘として振舞わなければならない。
時は流れ、藻奈美として学校に通い続けた直子も高校生になった。

いつまでこの生活を続ければいいのか、答えはない。
2人がそれぞれ考え、導き出した決断とは・・・。
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2006年06月11日

手紙(東野 圭吾 著)

「弟だけはどうしても大学に入れてやりたかった」
そんな動機から老女の家に盗みに入り、はずみで殺してしまった兄・剛志。
裁判の結果は懲役15年。それ以来獄中から毎月、弟・直貴の元に手紙が届く。

直貴は、「自分のせいで兄が犯罪者になってしまった」と苦しむが、
強盗殺人犯の兄の存在によって、生活のために大学進学をあきらめ、
せっかくできた恋人とは別れさせられ、ミュージシャンとしての夢は消え去り、
就職しても異動させられ、しだいに兄からの手紙は無視されていく。

苦労を分かち合える伴侶を得て、子宝にも恵まれた直貴は、
自らの家族を守るため、悲しい決断をする。

罪を償うということはこのような思いをすることなのか・・・。
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